1995年に犬島との出会いから始まった瀬戸内海の離島での柳幸典のライフワークをさらに展開させた「ART BASE 百島」は、瀬戸内海の尾道市と鞆の浦の中間地点に位置する離島・百島を舞台としたアートプロジェクトである。過疎と高齢化が進む百島で1999年に閉校した旧百島中学校の校舎を創造の拠点として再活用したアートセンター「ART BASE 百島」を中心に島全体を一つのキャンバスに見立て、島内に点在する空き家や遊休施設を改修することで、地域資源と芸術の新たな可能性を探る試みである。
「ART BASE とはアーティストと協働者達による芸術を手段ではなく目的とする真剣な遊びの前線基地」というコンセプトを掲げたこのプロジェクトは、地域全体をアートの舞台として再構築し、訪れる者に地域とアートの新たな関係性を提示する場を目指している。
また尾道水道を中心としたアートクルーズを視野に、尾道の湾岸の県営上屋倉庫を活用した展覧会や尾道市街地の有休施設をギャラリーとして改修するディレクションを行うなど、海からの視点で繋がるルートを開拓。旧茶園(別荘建築)をゲストハウスに改修など、交通の要衝であった尾道の歴史的資源の活用も計画している。