"Yukinori Yanagi: ICARUS" Pirelli HangarBicocca

2025

Overview

ミラノのPirelli HangarBicoccaで開催された「ICARUS」は、柳幸典の作品をヨーロッパで初めて本格的に紹介した大規模な回顧展である。
Vicente TodolíとFiammetta Griccioli,のキュレーションにより、Pirelli HangarBicoccaのNavateとCuboの空間に、柳の活動を通して制作されたサイトスペシフィックな作品や没入型のインスタレーションが展開された。

Exhibition Outline

展覧会タイトル「ICARUS」は、ギリシャ神話に登場するイカロスとダイダロスに由来する。技術への過信から生まれる人間の傲慢さへの警告であると同時に、テクノロジーと人間の関係について考える契機を示すものでもある。柳にとって太陽は核エネルギーのメタファーでもあり、太陽に近づきすぎたイカロスの墜落は、人間自身が自らの破滅を招く姿と重ねられる。

本展では、過去と現在、破壊と再生、現実と幻想、物質と象徴、運動と恒久性といった相反する要素が併置され、作品同士の対話を通して柳の芸術世界が提示された。また、コンテナやドラム缶など、輸送システムに用いられる物体によって物理的な境界を越えるという発想が示され、それらは世界が相互につながるグローバルな構造のメタファーとして機能している。

Pirelli HangarBicoccaは、ミラノの広大な旧工業施設を活用した、ヨーロッパを代表する現代アートの芸術機関のひとつであり、世界的に活躍するアーティストによる大規模なインスタレーションやサイトスペシフィック・プロジェクトを紹介している。

Photo: Agostino Osio